
AIを使っていると、「これは驚くほど便利だ」と感じる場面がある一方で、「そこは人間の方が早い」と思う瞬間も少なくありません。
本記事では、理論や宣伝ではなく、実際に日常や作業の中で使ってきた体感をもとに、AIが得意な作業と苦手な作業を整理します。
AIとの付き合い方に迷っている方が、現実的な使い分けを判断できるようになることを目的とします。
AIが明確に得意だと感じた作業
情報の整理・再構成
AIは、散らばった情報を一定の型にまとめる作業が非常に安定しています。
- 長文を要点ごとに分解する
- 箇条書きを文章に戻す、または逆に分解する
- 観点別(メリット・デメリットなど)に整理する
実体験として、人間がやると「考えながら書く」ために時間がかかる工程でも、AIは疲れず一定の品質で出力します。
思考そのものではなく、「整形」に近い作業ほど強みが出ます。
下書き・叩き台の作成
完成形ではなく、0→1の途中段階で特に力を発揮します。
- 記事構成の案出し
- メールや説明文の下書き
- 複数パターンの言い回し生成
この段階では精度よりも量が重要になるため、AIのスピードがそのまま価値になります。
最終判断や調整は人間が行う前提で使うと、効率が大きく向上しました。
定型化された思考の補助
「こういう条件なら、一般的にはどう考えるか」といった問いに対しては、安定した返答が得られます。
- 一般論の提示
- よくある選択肢の列挙
- 抜けやすい観点の補足
これは、AIが大量の既存パターンを内部に持っているためであり、独創性ではなく網羅性を期待する場面に向いています。
AIが苦手だと感じた作業
文脈を伴う最終判断
「この状況で、どちらを選ぶべきか」といった判断は、最後は人間の役割になります。
- 責任が伴う意思決定
- 感情や関係性を考慮した選択
- 曖昧な前提が多い問題
AIは選択肢を提示することはできますが、決断の重みまでは引き受けられません。
この点を誤解すると、判断をAIに委ねすぎてしまいます。
体験そのものが価値になる作業
実際に体を動かした経験や、その場で感じた空気感は再現できません。
- 現地に行って感じた印象
- 人とのやり取りから生まれる感覚
- 試行錯誤の過程そのもの
AIは説明はできますが、「経験したこと」にはなりません。
体験を言語化する補助として使うのが現実的です。
最新状況への完全な追従
一般論や過去の傾向には強い一方で、直近の変化には注意が必要です。
- 制度改正直後の運用
- 現場ごとに異なる例外対応
- 非公開情報を前提とした判断
この領域では、一次情報や公式発表を人間が確認する必要があります。
実体験から見えたAIとの正しい分業
AIは「考えてくれる存在」ではなく、「考える材料を高速で整える道具」と捉えると、期待値が適切になります。
- AIに任せる:整理、展開、下書き、網羅
- 人間が担う:判断、責任、最終調整、体験
この分業を意識してから、作業効率だけでなく精神的な負担も減りました。
活用時に気をつけたいポイント
- 出力をそのまま使わない
- 不確実な情報は必ず確認する
- 「便利=正しい」と思い込まない
AIは優秀ですが、万能ではありません。
使う側の姿勢が、そのまま成果の質に反映されます。
まとめ
AIが得意なのは、整理・量産・一般化された思考です。
苦手なのは、判断・体験・責任を伴う領域です。
この特性を理解した上で使えば、AIは非常に頼れる相棒になります。
AIを「代わりに考えてくれる存在」と期待するのではなく、「考える余地を広げてくれる道具」として使うことが、今このタイミングでは最も現実的な付き合い方だと感じています。