
Codex を使っていると、「Codex 5.2 と Codex 5.1 Max、結局どちらを選ぶべきか」で迷う場面が増えています。
同じ“コーディング特化モデル”でも、公式情報を丁寧に読み解くと、得意分野と思想には明確な違いがあります。
本記事では、OpenAI が公開している最新ドキュメント・発表内容をもとに、長時間タスク、大規模リファクタ・移行、Windows 環境、セキュリティという実務視点で両者を比較し、どのような開発者に向いているかを整理します。
まず結論:どちらを選ぶべきか
- 大規模リファクタ・移行・設計変更を伴う長期作業が多い場合
- → Codex 5.2
- 日常的な改修を安定して回したい、トークン効率と持続性を重視したい場合
- → Codex 5.1 Max
以下で、その理由を具体的に解説します。
Codex 5.2 の特徴と位置づけ
Codex 5.2(gpt-5.2-codex)は、GPT-5.2 を基盤に、エージェント型コーディングをさらに実務寄りに強化したモデルです。
公式情報から読み取れる主なポイントは以下の通りです。
- 長時間タスク(long-horizon tasks)への対応強化
- 大規模コード変更(リファクタ・移行)への最適化
- ツール呼び出し(テスト、ビルド等)の信頼性向上
- Windows 環境でのエージェント動作を明示的に改善
- 防御的サイバーセキュリティ能力の強化(※攻撃用途ではない)
メリット
- 構造変更を伴うリファクタや移行作業を「途中で破綻しにくい」
- 設計方針を保ったまま反復作業を続けやすい
- 単なるコード生成ではなく、作業全体を“やり切る”方向性
注意点
- 強力である分、変更範囲が広がりやすい
- 小さな修正ではオーバースペックになる可能性もある
Codex 5.1 Max の特徴と位置づけ
Codex 5.1 Max(gpt-5.1-codex-max)は、長時間作業を安定して回すことに特化したモデルです。
公式に強調されているのは以下の点です。
- compaction(履歴圧縮)を前提とした長時間作業設計
- 同等の推論レベルで、thinking tokens を約30%削減
- 数時間〜長時間の自律作業を想定
- Windows 環境で訓練された初期の Codex 系モデル
メリット
- トークン効率が高く、コスト・速度面で安定
- 同じ作業を何度も回す開発フローと相性が良い
- 巨大リポジトリでも粘り強く作業を継続しやすい
注意点
- compaction により、重要な前提が薄まる可能性がある
- 設計思想の刷新や大胆な変更はやや慎重寄り
長時間タスクへの向き・不向き
Codex 5.2 が向いているケース
- 大規模リファクタ
- 技術的負債の解消
- フレームワーク・アーキテクチャ移行
- 設計レベルからの見直し
Codex 5.1 Max が向いているケース
- 日常的なバグ修正
- 中規模の改善を継続的に行う
- コスト・速度・安定性を優先
- 巨大コードベースの保守運用
Windows 環境での違い
両モデルとも Windows 環境を明確に意識していますが、
- 5.1 Max:Windows 環境で動作することを前提に訓練されたモデル
- 5.2:その上で、Windows 上のエージェント作業をさらに信頼性重視で改善
という関係性です。
社内標準が Windows の場合でも、どちらも実用上の問題は少ないと考えられますが、複雑なツール連携を伴う場合は 5.2 の方が安全寄りと言えます。
セキュリティ観点での違い
Codex 5.2 では、防御的サイバーセキュリティ能力の強化が明言されています。
これは、
- 脆弱性検出
- 安全な実装の提案
- 意図しない危険コード生成の抑制
といった「守り」の側面を重視した方向性です。
一方、5.1 Max でもセキュリティ用途での実績は示されていますが、思想としては安定運用寄りです。
実務での使い分け指針
- 個人開発・新規設計・大胆な改修
→ Codex 5.2 - チーム開発・保守運用・継続的改善
→ Codex 5.1 Max - 迷った場合
→ 普段は 5.1 Max、詰まった作業だけ 5.2 に切り替える
まとめ
Codex 5.1 Max と Codex 5.2 は、単なる「新旧」ではなく、思想の違う兄弟モデルです。
- Codex 5.1 Max:安定・効率・持続性
- Codex 5.2:大規模変更・完遂力・設計耐性
自分の開発スタイルとタスクの性質を一度棚卸しし、「どこで AI に一番助けてほしいか」を基準に選ぶと、後悔の少ない選択になります。
同じ Codex でも、使い分けるだけで開発体験は大きく変わります。