
ChatGPT(とくにCodex系モデル)に対して、「なんでもできる魔法のAI」を期待してしまい、途中で止まったり、話が飛んだりして戸惑った経験はないでしょうか。
実際には、得意な領域と不得意な領域がかなり明確に分かれており、その前提を理解していないと、期待外れやストレスにつながります。
本記事では、宣伝的な美辞麗句を避け、ネガティブな側面も含めてChatGPT(Codex系)の実力を整理し、どこまで任せ、どこから人が判断すべきかを明確にします。
ChatGPT(Codex系)とは何者か
ChatGPTのCodex系は、主にプログラミング支援を目的として設計されたモデル群です。
自然言語とコードの対応関係を大量のデータから学習しており、「仕様を文章で渡すとコード案を返す」ことに特化しています。
- 強みは「構文」「定型処理」「既存パターンの再構成」
- 弱みは「長時間の一貫した思考」や「前提が曖昧な問題設定」
この設計思想を理解することが、正しい期待値設定の第一歩です。
Codex系で「できること」
コード生成・補完
- TypeScript、Python、Rustなど主要言語での雛形生成
- 既存コードの一部を渡した際の続きの補完
- API仕様書をもとにしたサンプル実装案の提示
実務では「ゼロから書かせる」よりも、「叩き台を出させて人が仕上げる」用途が最も安定します。
定型的なリファクタリング
- 命名規則の統一
- 重複コードの整理
- 明らかに冗長な処理の簡略化
ただし、設計意図まで正確に汲み取ることは難しく、最終判断は必ず人が行う必要があります。
技術調査の初期整理
- 新しいライブラリやAPIの概要把握
- 公式ドキュメントを読む前の下準備
- 用語や概念の関係性整理
一次情報そのものではなく、「読むべきポイントを絞る補助」として使うのが現実的です。
Codex系で「できないこと」
長い思考の持続
- 会話が長くなると前提条件を落とす
- 途中で論点がずれる、話が飛ぶ
- 「さっき言ったこと」と矛盾する回答を返す
これは設計上の制約であり、根性論で改善するものではありません。
未定義条件の自動補完
- 曖昧な要件を「それっぽく」埋めてしまう
- 実際には存在しないAPIや設定を断定的に書く
不確実な部分ほど、もっともらしく誤る点には注意が必要です。
責任ある最終判断
- セキュリティ設計
- 法的・契約的な判断
- 本番環境での最適化判断
これらはAIに委ねるべき領域ではなく、人の責任で決める必要があります。
「途中で止まる」「思考が飛ぶ」理由
一般的に、Codex系は以下の条件で不安定になりやすいと考えられます。
- 一度に要求するタスクが多すぎる
- ゴールが抽象的すぎる
- 文脈が長期間にわたって蓄積している
これは推測ですが、トークン制限や内部最適化の影響によるものとされています。
実務での現実的な使い分け
向いている使い方
- 1タスク1指示で区切る
- 出力は「草案」「候補」と割り切る
- 人がレビューする前提で使う
向いていない使い方
- 思考プロセスそのものを全面的に任せる
- 長時間セッションでの一貫した設計
- 「全部いい感じにやってほしい」という丸投げ
他のAI活用との比較
ChatGPT(Codex系)は万能ではありませんが、正しく使えば強力な道具です。
たとえば、調査用途についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
「AIリサーチの現実的な限界と活用法」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
また、開発補助全般については「AIコーディング支援ツールの選び方」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
ChatGPT(Codex系)は「考える主体」ではなく、「高速で叩き台を出す補助輪」です。
途中で止まることも、思考が飛ぶことも、設計上ある程度は避けられません。
だからこそ、できること・できないことを正直に把握し、人が主導権を持った使い方をすることが重要です。
過剰な期待を捨て、現実的に付き合えば、今この瞬間でも十分に実務を助けてくれる存在だと気づけるはずです。