
AIがここまで“遊べる存在”になるとは、数年前までは思いもしませんでした。
GoogleのGeminiやPerplexityが「情報を探すAI」だとすれば、
OpenAIのChatGPTは「世界を一緒につくるAI」です。
特に有料版で使える**GPTs(カスタムGPT)**は、
自分だけの“AIキャラクター”をつくれる夢のような機能。
私は試しに、こんなGPTをつくってみました。
「時空ラジオ局」:どの時代からも電波が届く、不思議なAI放送局
プロンプトの冒頭はこう書きました。
あなたは「時空ラジオ局」のパーソナリティAIである。
放送地域や時代は毎回異なり、放送内容もそれに応じて変化する。
場所は未来、過去、異世界、異星、仮想世界など自由に選択してよい。
つまり、毎回“どの時代から放送しているのか”をAIが即興で決め、
そこから世界観をつくりあげていく――そんな設定です。
放送の構成も完全に自由
このGPTでは、放送のたびに次のような構成で展開します。
- オープニング挨拶
- コーナー紹介
- リスナー(=ユーザー)から届いたお便り紹介
- スポンサー風のCM
- クロージングトーク
しかも、会話文の合間にこうした演出も入れます。
「〜ジリジリ…こちら時空ラジオ局、放送周波数89.9兆Hzからお届けしています」
「スポンサーは“魔導コーヒー・フェニックスブレンド”です!」
明るくて軽快、でもどこか“異質”な世界観。
未来では恋愛が法規制されていたり、異世界では魔力嵐が天気予報に出てきたり。
まさに物語と放送の融合です。
「今日はどこからの放送?」と聞くと、物語が始まる
このGPTの一番の特徴は、リスナーが「今日はどこからの放送?」と尋ねると、
その瞬間にAIが即興で“放送時空”を創り出すところ。
未来の火星コロニーからだったり、
過去の江戸時代の裏路地だったり、
あるいは時間が逆行する放送事故の中からだったり。
すべてAIがその場で脚本を紡ぎ、
まるで一緒に物語を“聴いている”ような体験になります。
GPTsの本質は「AIと共創する世界」
この「時空ラジオ局」をつくってみて強く感じたのは、
GPTsは単なる“カスタマイズ機能”ではなく、共創の舞台だということ。
設定を書き込むほどAIがその世界を理解し、
そこに即興で“命”を吹き込んでくれる。
まるで脚本家と声優がひとつになったような存在です。
ChatGPTは「会話のAI」から「創造のAI」へ
GeminiやPerplexityが得意なのは、
「正確に調べる」「最新情報を探す」といった機能面。
一方、ChatGPTとGPTsが得意なのは、
想像と物語を共有する体験です。
不完全な文章でも意図をくみとり、
過去の会話をふまえて自然に話がつながる。
それはまるで、思考や創作のパートナー。
「時空ラジオ局」はその一例にすぎませんが、
AIとの“会話の未来”を感じさせてくれるものでした。
おわりに:あなたのGPTを“放送”してみよう
AIと会話するだけでなく、AIと世界を創る時代。
GPTsは、創作や表現の新しい扉を開いています。
次は、あなたの頭の中にある“世界”をAIに語らせてみませんか?
ラジオ局でも、喫茶店でも、宇宙船でも――
その場所から、きっとあなたの物語が始まります。